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Author: 能楽兎者こと及部和良      (のうらくとしゃ)
     
   能楽鑑賞
    (初鑑賞 2004 - 01 - 16)
   油彩画制作
     ( 1994 〜 )
   海外・国内旅行

   能楽鑑賞数 (本年)
    能 鑑賞数  200 番
      (通算 1,245 番)
     現行曲鑑賞 211 曲
    狂言 鑑賞数 100 番
      (通算 650 番) 
    鑑賞公演数 (通算)
        688 公演

   Blog 開設
     2007 - 05 - 17                                

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「花供養」
12月26日(金) 晴 開演PM6:00〜終演8:15
 冷たい北風の吹く中、新作能「花供養」を観に、宝生能楽堂へ行く。
 白洲正子 没後十年追悼能公演で 能1番の上演、見所は 満席である。

「花供養」
  シテ 前 尼・後 白洲正子の霊 梅若玄祥
  ワキ 旅の男 宝生欣哉、アイ 正子を知る者 真野響子
  囃子方 笛 松田弘之・小鼓 大倉源次郎・大鼓 亀井広忠・太鼓 助川 治
  地頭 梅若晋矢・副地頭 柴田 稔、主後見 清水寛二

 作者は 東大名誉教授・免疫学者 多田富雄、節付・作舞は 梅若玄祥、演出は
 笠井賢一、アイ語りは 女優 真野響子(特別出演)。能の上演前、花人 川瀬敏郎に
 よる「献花」あり。大小前に、白椿が咲く庵 (引廻しの掛った作り物) を置く。

 あらすじ(パンフレット)
  旅の男が夕暮れの鶴川の里で、路傍に咲く椿の花を手折る。花供養に参るという
  尼に咎められるが、花の美をめぐって 小林秀雄、世阿弥などを引いて美学論議
  となる。名を問われて椿の精とも、壽椿尼とも、白洲正子とも取れる答えを残し
  て、椿の薮の中に消え失せる。(中入)
  やがて薮の中から声がして、老女姿の後シテが現れる。両性具有の花をわが身に
  引きつつ、花の美を説き、白洲正子の愛した椿の数々を挙げて(白洲正子の文を
  引き)、自然のめぐりに、老いて死ぬ運命を花の命に託し、静かな、しかし艶の
  ある「序之舞」を舞う。そして過ぎ去った友を限りなく懐かしんで終わる。
  一重の椿と白洲正子を重ね合わせた能。

 観能結果は、正直言って面白くなかった。
 場面展開にこれといったヤマ場がなく、変化のない舞台がダラダラと続いたという
 のが実感。前場が中入まで 35分、アイ語りが 10分、後場〈クリ・サシ・クセ〉
 から「序之舞」前まで 30分、イロエ・「序之舞」が 10分、終曲まで 15分、しめ
 て 100分(1時間40分)で、長く辛抱のいる時間であった。

 作品であるが、曲名の「花供養」や「椿と白洲正子を重ね合わせた能」とあれば、
 正子・椿・花供養 に絞った内容の方がすっきりする。
 詞章やアイ語りの中に、白洲正子・白洲次郎・河上徹太郎・小林秀雄・青山二郎・
 先代 梅若六郎・梅若 実・世阿弥・壽椿尼=世阿弥の妻 等の名前が頻繁に出てきて
 焦点が定まらず、聞かされる当方も いささか食傷ぎみである。

 アイ語りに、女優の 真野響子を当てた新演出は斬新であったが、思ったより声が
 低く 早口のため、話の内容が判り難かった。地味な能舞台が いっとき華やいだが、
 むしろ違和感の方が強かった。

 しかし何よりも、肝心のシテ 梅若玄祥(60才) の 謡や舞に、いつもと比べ精彩が
 なかったのはどうしたことか。多分、体調が万全ではなかったのかな と思う。
 前シテの 尼は、白の花帽子に「増女」の面、後シテの 霊は、品のある「姥」の面
 を掛けたが、着けた装束の配色とも合って、玄祥のセンスの高さを感じた。
 「太鼓序之舞」に期待したが、舞い手と囃子方との調和が、いまひとつしっくり
 行かず不調であった。
 旅の男 役の 宝生欣哉(41才)が なかなかの健闘、地謡 梅若晋矢(52才)の率いる
 地謡陣も まずまず。

 初演を観た限り、新作能「花供養」は「老女物」という感じがした。
 再演があるとすれば、詞章・演出などに、大胆な「変革」が必要とする作品、と
 思料する。
  (100分)  234/1045

観能記 | 13:24:45 | トラックバック(0) | コメント(0)
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