2008-11-05 Wed
11月3日(祝) 曇 開演PM2:00〜終演4:303カ月振りに横浜能楽堂へ足を運んで、源氏物語千年紀・横浜能楽堂企画公演「源氏
物語〜それぞれの恋心」第三回「玉葛 ー 乱舞する蛍と恋」を観る。
能「玉葛」上演の前に、馬場あき子の解説と 加賀美幸子の謡曲朗読「玉葛」があった。
「玉 葛」
シテ 前 里女・後 玉葛の霊 塩津哲生
ワキ 旅僧 宝生 閑、アイ 門前の者 高澤祐介
囃子方 笛 松田弘之・小鼓 大倉源次郎・大鼓 佃 良勝
地頭 友枝昭世・副 香川靖嗣、主後見 中村邦生
典拠は「源氏物語」玉葛の巻で、能柄は 四番目・狂女物、所は 大和・長谷寺、季節
は 秋(九月)、作者は 金春禅竹である。
狂乱物だが三番目・鬘物に近い情趣があり、「浮舟」の姉妹曲である。
観世流は「玉鬘」と記す。
主人公は、頭中将と 夕顔の間に生まれた 玉葛である。
「源氏物語」では、光源氏の弟 兵部卿・義弟の 夕霧・実弟の 柏木、さらに養父の
光源氏にまで心を尽くさせ、結局は黒髭大将に嫁いでしまった 玉葛だが、本曲では
それには詳しく触れていない。だが終盤には、狂いのもとになった恋愛遍歴を語り、
妄執の心を翻して真如に立ち返り成仏を告げている。
前シテ 里女の出立ちは、縫箔を腰巻きに水衣を肩上げにして櫂竿を持ち、面は小面
を掛ける。後シテ 玉葛の霊は、縫箔を腰巻き壷折りにして 付け髪を左に垂らす。
なかなか豪華な装束であるが、色のアクセントがなく ぼんやりとした感じ。
喜多流の名手 塩津哲生(63才)は 常の出来、後場 やや詞章が聞き取りにくかったのは
気のせいか。「乱舞する蛍」のイメージは、残念ながら湧いてこなかった。
(85分) 191/1002

