「一字 一句」
   
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「久習會」

 第二十三回「久習會」 宝生能楽堂
         平成28年4月21日(木) 小雨  開演午後6時〜終演8時15分

  能:「羽 衣」  狂 言:「金藤左衛門」  独 吟:「勧進帳」
   見 所:8〜9分の入り (400)

 「久習會」は、観世流橋岡會門下の研修・研究会公演で、本公演では女流能楽師 宮内美樹
  (昭和46年生れ) が、人気曲「羽衣」を舞う。他に、狂言1番、独吟1番の上演。


「羽 衣」
 シテ/天人   宮内美樹
 ワキ/漁夫白竜   福王和幸   ワキツレ/漁夫 村瀬 慧・矢野昌平
 囃子方/笛 栗林祐輔・小鼓 後藤嘉津幸・大鼓 佃 良太郎・太鼓 大川典良
 地謡/地頭 荒木 亮
    橋岡伸明・坪内比路之・宮下 功・岩崎哲也・土田英貴
 後見/主 山中ガ晶 副 松山隆之

  典拠:羽衣伝説 能柄:三番目物 所:三保の浦 (駿河) 季節:春 作者:不明
 
 シテ 宮内美樹は、津田塾大卒後会社勤めを経て、プロの能楽師になった異色の経歴を持つ。
 目標に向って一心不乱に励む努力家で、女流として豊かな声量と資質を兼ね備える。

 前段の見せ場は、天女と漁夫の問答・掛合いにある。美樹の謡と、渋味が出たワキの 和幸
 の謡が呼応して、よい雰囲気と空間を演出した。美樹の「いや疑いは人間にあり、天に偽り
 無きものを」が心地よく響いた。

 中盤は、地謡陣が謡い上げシテが舞う曲舞が、見処・聴き処(クリ・サシ・クセ)となる。
 地頭 亮が、総勢6名を率いて頑張ったが、些か声を張り上げ過ぎた感あり。

 後段のヤマ場は、何と言っても「太鼓序之舞」から「破之舞」である。「物着」で、長絹
 を纏ったシテが、優美で伸びやかな舞を舞う。

 美樹の舞は、美しく揺らぎの無い舞でなかなか良かった。欲を言えば、もう少し天女らし
 く、舞の所作に軽味が欲しかった。装束は、もっと明るい色合いの物の方がよかった。

 シテが右袖を頭上に被く型で、袖が天冠に引っ掛かるミスがあったが、後見が素早く対処
 して進行に齟齬は無かった。

 「羽衣」は、能の代表的な曲目で上演回数も多い。昨今は「小書」演出が主流で、本日の
 ような小書無しの舞台は少なくなった。主な小書として〈 和合之舞・彩色之伝 (観世流)、
 盤渉 (宝生・金剛流)、舞込・霞留 (喜多流)、替之型 (金春流) 〉がある。
                               上演時間:80分


「金藤左衛門」(狂 言)
 シテ/山賊・金藤左衛門  茂山千五郎   アド/女  茂山 茂
 
 山賊が、通りかかった女から持袋を奪い取る。女は、山賊のスキをみて長刀を奪い山賊に
 突き付ける。女は袋を取り返し、山賊の刀や小袖まで剥ぎ取って消える。

 千五郎の滑稽さが秀逸。「積善の余慶」(人に物を施せば必ず仕合せが来る) と、笑い止め。 
                               上演時間:25分


  次回予告:第二十四回「久習會」
    平成28年9月10日(土) 午後2時開演  宝生能楽堂
      演目: 能「盛 久」宮内美樹  狂言:「抜殻」善竹十郎






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