■最近の記事
■月別アーカイブ
■カテゴリー
■ブログ内検索

■RSSフィード
観能10年10カ月から


  (その4)

    大島輝久の「道成寺」

     「道成寺」の披キは、若手能楽師の登竜門と言われる。披キ物として他には、「石橋」
     「猩々」「翁」がある。22.10.31「大島久見七回忌追善能」で、久見師の孫 大島輝久が
     「道成寺」を披いた。


     「道成寺」大島輝久、ワキ 宝生欣哉 他、アイ 野村萬斎 他、囃子 杉 信太朗・飯田清一・
          亀井広忠・助川 治、地頭 粟谷能夫 他、主後見 高林白牛口二 他、主鐘後見
          塩津哲生 他

    33才の 輝久は、能役者としての姿態に恵まれ、謡や舞に非凡なセンスと才覚を持つ。流儀
    の期待の星だが、能楽界の将来を担う役者のひとりでもある。
    前段の、最大の見どころは乱拍子。小鼓は幸流の 清一、気迫や短めの掛け声は悪くないが、
    些か間が長過ぎた。その結果、乱拍子・乱拍子謡・急ノ舞から鐘入りまで45分掛った。乱
    拍子だけでも30分、見所の緊張感の持続が限界を超えている。全体の上演時間125分は、
    やはり長過ぎる。
    しかし乍ら、輝久の出来映えは素晴らしく、大曲「道成寺」の初演としては、実に完成度
    の高い舞台であった。            
                           (平成22年11月1日 記)



    金剛永謹の「道成寺」

     「道成寺」はベテランが勤めると、舞台や見所の雰囲気がガラリと変わる。25.11.1
     金剛宗家が演じた「道成寺」は、金剛流しかない「古式」の小書付で、国立能楽堂特別
     企画公演である。当然ながら、若手の披キとは一味違った趣きがあった。
     
     
     「道成寺」金剛永謹、ワキ 福王茂十郎 他、アイ 山本東次郎 他、囃子 藤田六郎兵衛・
          大倉源次郎・亀井広忠・観世元伯、地頭 宇高通成 他、主後見 廣田泰三 他、
          主鐘後見 金剛龍謹 他

    金剛宗家は62才、大柄の体躯でゆったりとした舞に特徴がある。古式の演出は、面は前
    シテが孫次郎、後シテは般若で赤頭を着ける。乱拍子は、8段から6段に縮められ、「柱
    巻キ」は、常座側から橋掛りの方へ巻き乍ら唐織を脱ぎ捨てた (鱗落シ)。
    永謹の乱拍子、鐘入り、僧との戦いなどは、スピード感や体のキレが乏しかった。だが、
    しっかりとした型に安定感があり、これぞ白拍子変じて鬼女と言う、能柄に相応しい舞台
    であった。
                           (平成25年11月2日 記)





10年10カ月 | 09:08:21

FC2Ad