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観能10年10カ月から

  3. 「伯母捨」の初鑑賞(その1)

    平成16年4月6日国立能楽堂で、三老女物のひとつ「伯母捨」を初鑑賞した。シテは
    喜多流の 友枝昭世 (63歳) で、この他もワキ 宝生 閑、アイ 野村 萬、笛 一噌仙幸、
    小鼓 北村 治、大鼓 亀井忠雄、太鼓 金春惣右衛門、地頭 粟谷菊生らで、これ以上の
    演者は揃えられないと言う豪華さである。
    全演者・奏者が持てる力を発揮し、緊張感の中にも心地よい雰囲気が広がる150分で
    あった。昭世の前シテ里女・後シテ姥の演技は最高で、囃子方・地謡の見事さを加え、
    後世に残る名舞台であった。名手 昭世の、体現力が成せる高邁な伎芸である。
    終演9時、感動と充足感を抱いて、能楽堂上空のおぼろ月を背に家路へと急いだ。
                            (平成16年4月6日 記)


      (その2)

    今回、喜多流の 友枝昭世が「伯母捨」(他流では「姨捨」) を舞ったのは、10年前に
    同流儀の人間国宝 粟谷菊生が舞って以来のことのようだ。「檜垣」「関寺小町」と
    合わせ三老女物と言われ、何れも難曲で演者も限られている。
    「伯母捨」上演は、他流では珍しいことではないようだが、喜多流では先代の
    喜多六平太も 喜多 実も 友枝喜久夫も、生涯演じなかったそうだ。
    この公演の 昭世の挨拶の中に、「先人の方達が、さぞや泉下で苦笑していらっしゃる
    ことと思います」「能に目覚めた三十代の頃、装飾を取り去った能の本質そのものの
    ようなこの曲が、なぜ上演されないのか」「一生のうちに是非勤めたいと生意気にも
    考えたことを思いますと、この歳月への感慨も深いものがあります」として、この曲
    の上演が積年の念願であったことを吐露している。それだけに、並々ならぬ決意が感
    じ取れた。
    昭世師63歳、正にあぶらの乗った旬の能楽師と言える。 
                            (平成16年4月7日 記)


      註:友枝昭世 人間国宝認定 平成20年7月



10年10カ月 | 09:10:05

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