「一字 一句」
   
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「羽 衣」と「光の素足」

 「羽 衣」は、能の中でも最もポピュラーな曲で、上演回数が多く人気も
 高い。「光の素足」は、平成18年に初演された新作能で、上演回数は多
 くない。今年の2月に「光の素足」を、3月には「羽 衣」を鑑賞した。


  第十一回「山井綱雄之會」 国立能楽堂 2月26日(日) 
              開演14時〜終演17時10分 8分の入り
      能1番・仕舞1番

 「光の素足」
  シテ/前:老人・後:光の素足  山井綱雄 (金春流)
   ツレ/少年一郎 中所宜夫 (観世流)
   アイ/ボウセ童子・蠍 山本則重 /チュンセ童子・大烏 山本則秀
   大鼓/安福光雄・小鼓/田邊恭資・笛/一噌幸弘
   地頭/高橋 忍 副地頭/辻井八郎

  観世流能楽師:中所宜夫 (九皐会・59歳) の創作で、原作は宮沢賢治、
  金春流版節付監修は金春安明、型附演出は山井綱雄である。
  中所は平成17年に新作能「光の素足」を完成させ、18年11月に初演
  を挙行、爾来数回この曲の公演を行っている。
  今回初めて異流儀による公演を行うもので、シテを綱雄・ツレを宜夫
  が勤める。

  平成22年12月に「中所宜夫能の会」公演で、本曲を鑑賞している。
  シテを宜夫・ツレを子息の真吾が勤めた。
  当時の感想は「鑑賞後正直なところ、少しばかり高尚な学芸会劇を
  観た感じで、何ら感激性も面白味も湧かない舞台に戸惑った。
  能もどきではあるが、物語の筋がよく判らず、唐突なアイ狂言(寸劇?)
  もあり、これが宮沢賢治の世界などと言われても理解できない舞台で
  あった」と記している。

  今回の本曲の公演は、なかなか面白かった。初演から10年余を経て
  公演回数を重ね、作品がよくこなれていた。金春流版と言うことで、
  安明宗家や綱雄が意欲的に節付・型附を行ない、アイ狂言も洗練され
  ており、何より囃子方・地謡陣の奮闘が舞台を盛り上げた。
                       上演時間:85分


  東京能楽囃子科協議会定式能「三月 昼能」 国立能楽堂
     3月15日(水) 開演13時30分〜終演16時30分 8分の入り
      能1番・狂言1番・仕舞5番

 「羽 衣」和合之舞
  シテ/天人  鵜沢 久 (観世流)
   ワキ/漁夫白龍 大日向 寛  ワキツレ/御厨誠吾・野口能弘
   大鼓/大倉栄太郎・小鼓/鳥山直也・笛/槻宅 聡・太鼓/金春國直
   地頭/浅井文義 副地頭/西村高夫

 鵜沢 久 (観世流:銕仙会・67歳)は、女流能楽師の第一人者である。
 鍛えられた芸は、男性能楽師にも決して退けを取らない。本曲は人気
 曲で上演回数も多い。このため、演者にとっては却って難しい曲とさ
 れる。

 私はこの曲を10年間で23回程観てきた。が、印象に残っているのは、
 24年1月の関根祥六(観世流)・同1月の三川 泉(宝生流)・25年9月の
 友枝昭世(喜多流)・26年2月の香川靖嗣(喜多流)などである。

 今日の舞台は、これら演者に勝るとも劣らないものであった。爽やか
 で綺麗な謡、美しい舞の所作は、しなやかで上品な雰囲気を舞台に醸
 し出して、見所の隅々まで魅了させた。   上演時間:70分





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