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 新「観世能楽堂」 と 特別公演

 新しい「観世能楽堂」が、2017年 (平成29年) 4月20日、東京銀座旧松坂屋跡地
 に建てられた「GINZA SIX」の地下3階に開場した。
 2年前に閉場の、渋谷・松濤の旧能舞台をそのまま移築したもので、見所は縦長で
 脇正面席が極端に少なく、中正面席はやや変形の扇形、正面席が後方まで長く続く。
 音響効果は定かではないが、能舞台・見所などの雰囲気は悪くない。だが、ロビー・
 休憩所が広くないのが不満だ。 
 開場記念公演が続く中、5日目の若手特別公演を鑑賞した。

  観世能楽堂開場記念「若手特別公演」 観世能楽堂 
    4月24日(月) 開演19時30分〜終演21時20分  満 席

  「 乱 」小書:置壺・双之舞
    シテ/猩々  坂口貴信 ・ 林 宗一郎
     ワキ/高風 舘田善博
     大鼓/原岡一之・小鼓/鶼澤洋太郎・笛/松田弘之・太鼓/小寺真佐人
     地頭/武田友志・副地頭/角 幸二郎

   正先に大酒壺を置き、貴信・宗一郎の両シテで演じた。海底に住む猩々が、酒
   を飲み舞戯れる祝言能。赤頭・赤い童顔の専用面・赤地金糸模様の装束という
   赤づくめの姿態。
   流れ足・抜き足・蹴上げ足などを多用、水上を戯れ遊ぶ態を見せる。両シテは
   見事に息が合って、祝言能に相応しい、楽しくも美しい舞を見せた。
                               上演時間:40分

  「石 橋」小書:大獅子(半 能)
    シテ/白獅子  上田公威
     シテツレ/赤獅子 坂井音雅・武田宗典・関根祥丸
     ワキ/寂昭法師 野口能弘
     大鼓/柿原弘和・小鼓/幸 正昭・笛/一噌隆之・太鼓/林 雄一郎

   舞台正面先に、赤・白牡丹の一畳台二基を並べる。霊獣獅子が四頭(白頭 =
   親獅子・赤頭 =子獅子三頭)が現れ、牡丹に戯れ遊ぶ豪壮な祝言能。
   勢揃いした獅子四頭が、舞台狭しと華麗で豪華な舞を見せた。ただ、公威の
   面ヒモが緩んで面が下にヅレたのか、動きが些か不安定だったのが惜しまれる。
                               上演時間:20分



観能記 | 09:40:43
「羽 衣」と「光の素足」

 「羽 衣」は、能の中でも最もポピュラーな曲で、上演回数が多く人気も
 高い。「光の素足」は、平成18年に初演された新作能で、上演回数は多
 くない。今年の2月に「光の素足」を、3月には「羽 衣」を鑑賞した。


  第十一回「山井綱雄之會」 国立能楽堂 2月26日(日) 
              開演14時〜終演17時10分 8分の入り
      能1番・仕舞1番

 「光の素足」
  シテ/前:老人・後:光の素足  山井綱雄 (金春流)
   ツレ/少年一郎 中所宜夫 (観世流)
   アイ/ボウセ童子・蠍 山本則重 /チュンセ童子・大烏 山本則秀
   大鼓/安福光雄・小鼓/田邊恭資・笛/一噌幸弘
   地頭/高橋 忍 副地頭/辻井八郎

  観世流能楽師:中所宜夫 (九皐会・59歳) の創作で、原作は宮沢賢治、
  金春流版節付監修は金春安明、型附演出は山井綱雄である。
  中所は平成17年に新作能「光の素足」を完成させ、18年11月に初演
  を挙行、爾来数回この曲の公演を行っている。
  今回初めて異流儀による公演を行うもので、シテを綱雄・ツレを宜夫
  が勤める。

  平成22年12月に「中所宜夫能の会」公演で、本曲を鑑賞している。
  シテを宜夫・ツレを子息の真吾が勤めた。
  当時の感想は「鑑賞後正直なところ、少しばかり高尚な学芸会劇を
  観た感じで、何ら感激性も面白味も湧かない舞台に戸惑った。
  能もどきではあるが、物語の筋がよく判らず、唐突なアイ狂言(寸劇?)
  もあり、これが宮沢賢治の世界などと言われても理解できない舞台で
  あった」と記している。

  今回の本曲の公演は、なかなか面白かった。初演から10年余を経て
  公演回数を重ね、作品がよくこなれていた。金春流版と言うことで、
  安明宗家や綱雄が意欲的に節付・型附を行ない、アイ狂言も洗練され
  ており、何より囃子方・地謡陣の奮闘が舞台を盛り上げた。
                       上演時間:85分


  東京能楽囃子科協議会定式能「三月 昼能」 国立能楽堂
     3月15日(水) 開演13時30分〜終演16時30分 8分の入り
      能1番・狂言1番・仕舞5番

 「羽 衣」和合之舞
  シテ/天人  鵜沢 久 (観世流)
   ワキ/漁夫白龍 大日向 寛  ワキツレ/御厨誠吾・野口能弘
   大鼓/大倉栄太郎・小鼓/鳥山直也・笛/槻宅 聡・太鼓/金春國直
   地頭/浅井文義 副地頭/西村高夫

 鵜沢 久 (観世流:銕仙会・67歳)は、女流能楽師の第一人者である。
 鍛えられた芸は、男性能楽師にも決して退けを取らない。本曲は人気
 曲で上演回数も多い。このため、演者にとっては却って難しい曲とさ
 れる。

 私はこの曲を10年間で23回程観てきた。が、印象に残っているのは、
 24年1月の関根祥六(観世流)・同1月の三川 泉(宝生流)・25年9月の
 友枝昭世(喜多流)・26年2月の香川靖嗣(喜多流)などである。

 今日の舞台は、これら演者に勝るとも劣らないものであった。爽やか
 で綺麗な謡、美しい舞の所作は、しなやかで上品な雰囲気を舞台に醸
 し出して、見所の隅々まで魅了させた。   上演時間:70分




観能記 | 08:30:21
香川靖嗣の會

 第十二回「香川靖嗣の會」 喜多能楽堂  4月1日(土) 小雨
                    開演14時〜終演16時40分 満 員
     能1番・狂言1番

「隅田川」
 シテ/狂女 (梅若丸の母)  香川靖嗣   子方/梅若丸 (亡霊) 大島伊織
  ワキ/渡守 宝生欣哉  ワキツレ/旅人 御厨誠吾
  大鼓/國川 純・小鼓/曽和正博・笛/一噌幸弘
  地頭/友枝昭世 副地頭/粟谷能夫

 本曲は女物狂能で知られ、唯一親子の再会を果たせない悲劇的な能である。演者の
 技量・力量により、観る者の心を打ち見所を涙の虜にさせる劇能と言える。

 喜多流の名手 香川が、持ち味の静謐で控えめな芸により、この悲劇能を観客にどう
 感じさせるか誠に興味深い。更にはワキ・囃子方・地謡や子方の出来が、一層曲趣
 に情味を添える。

 そのポイント箇所は三つある。一つは狂女の登場と渡守の問答場面、次に渡守の舟
 上の哀話語りと狂女の反応、最後は母と吾が子の亡霊との悲しい対面である。

 一つ目のポイント狂女の登場、一ノ松で子を思う心情を吐露し、舞台に入りカケリ
 を舞う。香川の柔らかみのある切ない謡と狂乱の態がよかった、そして渡守との問
 答、香川の抑えた謡と 欣哉の歯切れの良い謡が効果を増した。

 二つ目、舟上の 欣哉の物語が良かった。切々とした語りに聞き入る狂女、その悲劇
 の主を次第に吾が子と悟る過程、渡守に詰め寄り悲嘆に暮れる母。この場面での
 香川の芸 (所作・謡) が、些か地味過ぎて物足りなかった。

 能も劇と考えれば、もっとオーバーな表現があってもよい。確かに 香川は巧い、
 だが、これではお涙頂戴 (この曲に限っては) の域には達せないと思う。

 三つ目、塚の中から聞こえる「南無阿弥陀仏」に母は吾が子の声と確信する。子方
 伊織くんの、透き通った可憐な声が悲しみを増す。この場面での 香川の一連の芸と、
 醸し出す雰囲気は、流石だなと感じ入った。

 子とのすれ違い、茫々とした墓標を眺め、橋掛かりを去って行く 香川の後ろ姿は、
 本曲の悲しみを象徴している。

 囃子 幸弘の笛、終始強い音が鬱陶しかった。地謡は深みがあって調子も揃い、と
 ても良かった。                    上演時間:85分
 

観能記 | 14:30:33
 観世宗家と祥丸クン

   観世流26世宗家   観世清和 昭和34年5月21日生れ57才
   観世流関根祥雪孫  関根祥丸 平成5年5月11日生れ23才

  清和宗家の芸力は、近時脂の乗った状況である。また、懸案の観世能楽堂が、この四月
  に完工 (銀座) 予定で、気力も充実した状態である。
  祥丸クンは、故 関根祥人師 (平成22年6月22日に50才で急逝) の長男で、関根祥雪師
   (平成22年7月 宗家より「雪号」を授与される:旧名 祥六) は祖父である。資質・環境
  等にも恵まれ、若手のホープと称される。平成26年より、宗家の内弟子となり現在に
  至る。彼を幼い頃から見ているので、つい師ではなくクン呼ばわりしてしまう。
  昨年5月、関根祥人七回忌追善で、能「松風」をシテ松風 宗家・ツレ村雨 祥丸で共演、
  素晴らしい舞台を見せてくれた。


 第四十六回「桃々会」 宝生能楽堂
        平成29年1月29日(日) 1時30分開演 


  能「景 清」 小書:松門之出・小返之伝
   シテ/景清   観世清和
    シテツレ/人丸 坂口貴信  /従者 藤波重彦
    ワキ/里人 野口敦弘
    囃子方/笛 一噌庸二・小鼓 観世新九郎・大鼓 亀井忠雄
    地頭/武田志房  主後見/木月孚行

   シテの勇将悪七兵衛景清は、髭付きの面に着流し姿。特別な旋律の笛にのり、藁屋の
   中で謡う 清和の「松門の謡」が見事。戦語りも名調子だったが、ワキに絶句が出て
   些か興醒め。人丸役の 貴信が好演、重彦もよかった。
   庸二の笛、忠雄の大鼓も聴かせたが、地謡はやや乱れがあった。 
                               上演時間:85分


  能「船弁慶」
   シテ/前 静御前・後 知盛の怨霊   関根祥丸
    子方/義経 清水義久  ワキ/弁慶 福王和幸  アイ/船頭 山本泰太郎
    囃子方/笛 杉 信太朗・小鼓 曽和正博・大鼓 安福光雄・太鼓 小寺真佐人
    地頭/山階彌右衛門  主後見/観世清和

   前場の静御前、後場の知盛の怨霊の演じ分けが見どころの舞台。祥丸が、見事な芸
    (謡・舞・所作) を見せた。静が義経との別れを惜しんで舞う「中之舞」、情緒は
   出ていたが、もう少し大きな舞の所作が欲しかった。
   祥丸の知盛怨霊は、その不気味さに加え切れ味鋭い動きと、長刀の手捌きが鮮やかで
   実に見応えあった。
   弁慶役の 和幸が重厚な貫禄を見せ、子方が存分な活躍で見所を湧かせた。
                               上演時間:85分



   

観能記 | 14:20:00
 今年の能楽初鑑賞

 29年の能楽初鑑賞は、1月8日 (日) 12:00 開演、喜多流能楽堂での喜多流自主公演。
 能2番・狂言1番・仕舞1番の上演。
 今日は、元職場の役員らの観能会で、鑑賞参加者は5名。


 能「賀 茂」
  シテ/里女・別雷神 出雲康雅  
   シテツレ/前 里女 大島輝久・後 谷 友矩
   ワキ/神職 殿田謙吉 ワキツレ/従者 則久英志・梅村昌功 アイ/末社 山本凛太郎
   囃子方/笛 杉 信太朗・小鼓 鵜澤洋太郎・大鼓 柿原弘和・太鼓 梶谷英樹
   地謡/頭 粟谷明生 後見/主 内田安信

  正月らしく初番は脇能「賀茂」。神職らが賀茂明神に参詣すると、二人の里女が現れる。
  前場は、里女と神職との長い問答が続く。康雅の謡は、強いが些か間延びする。
  輝久の姿、所作が美しい。凛太郎は、未だ芸が幼い。
  後場は、友矩の天女ノ舞、康雅の舞働きがキビキビして舞台を締めた。
                                (上演時間:90分)


 能「雲林院」
  シテ/前 老人・後 在原業平の霊  香川靖嗣
   ワキ/公人 宝生欣哉 ワキツレ/従者 大日方 寛・野口能弘 
   アイ/北山辺の者 山本則重
   囃子方/笛 一噌幸弘・小鼓 観世新九郎・大鼓 佃 良勝・太鼓 小寺佐七
   地謡/頭 粟谷能夫 後見/主 塩津哲生

  「伊勢物語」の愛読者 公人が、従者を伴い雲林院へ参ると、ひとりの老人が現れる。
  前場のシテ・ワキとのやりとり、伎芸巧者 香川と、一段と芸力アップの 欣哉との問答
  が、頗る心地よかった。則重の語りは、安定感があってよい。
  後場は、業平の霊が昔物語りと懐旧の舞「太鼓序ノ舞」を舞う。香川の舞は、業平の
  情欲を穏やかに抑え、しかし随所に強い情趣を際立たせて、余韻を残す舞であった。
                               (上演時間:95分)




 

観能記 | 12:35:38
 金春流: 山井綱雄と 中村昌弘の舞台

   山井綱雄師 シテ方金春流 昭和48年5月25日生れ 43才
   中村昌弘師   〃    昭和53年7月13日生れ 38才

 この金春流若手の二人は、私好みの能楽師である。今迄に、山井のシテ舞台は32回、
 中村のシテ舞台は12回観てきた。両者とも、それぞれ強固な後援会を持っており、
 資質や力量も高い。私の観能は体調問題もあり、ここ2〜3年は激減しているが、先月
 両者の舞台を拝見した。


  11月13日 (日) 「金春会定期能」 国立能楽堂
 「一角仙人」
   シテ/一角仙人 山井綱雄  ツレ/旋陀夫人 櫻間金記
    ツレ/竜神 山井綱大・山井恵登  ワキ/朝臣 福王和幸
    囃子方:笛 松田弘之・小鼓 住駒充彦・大鼓 亀井広忠・太鼓 梶谷秀樹
    主後見 本田光洋 地頭 金春安明

   酒色に酔いしれた仙人と、美女の舞〈楽〉が面白い。綱雄も上手かったが、名手
   金記の色香が舞台を包み、両者の相舞はなかなか味わいがあった。
   竜神役は、綱雄の子息 (綱大中1・恵登小3) で、元気よく勤めた。
   綱雄・金記・和幸と巧者が揃い、囃子が締まり地謡もまずまずで、小品乍ら大い
   に楽しめた舞台であった。(上演時間:50分)


  11月26日 (土) 「第二回 中村昌弘の会」 喜多能楽堂
 「船弁慶」小書:遊女ノ舞・替ノ出
   シテ/前 静御前・後 平知盛の怨霊 中村昌弘  子方/源義経 中村千紘
    ワキ/弁慶 福王和幸  アイ/船頭 野村太一郎
    囃子方/笛 栗林祐輔・小鼓 鳥山直也・大鼓 亀井忠雄・太鼓 桜井 均
    主後見 金春安明 地頭 高橋 忍

   静の優美な舞と、怨霊の激しい働きとの演じ分けが楽しめる舞台。また、弁慶の
   威厳と、船頭のリアルな動きも見どころとなる。
   昌弘の、前・後シテの演じ分けがよく出来ていた。が、欲を言えば、静の舞や所
   作に更なる情緒感を、怨霊知盛の薙刀使いにはもっと強い力感が欲しかった。
   子方の子息 (千紘小1) が、難しい役を懸命に勤めた。刀の鞘おさめは、ご愛敬。
   和幸、太一郎の熱気ある力演、囃子方は大御所 忠雄が引き締め、地謡陣もまず
   まずで、面白い劇能の舞台であった。(上演時間:80分)
             (蛇足乍ら、観客のマナーについては一考を要する)
    

   


観能記 | 09:00:00
 第三十二回「テアトル・ノウ」東京公演

 第三十二回「テアトル・ノウ」東京公演   宝生能楽堂
           平成28年7月9日 (土) 雨  開演 午後2時〜 終演 5時15分

  能:山 姥」  舞囃子:「三 山」他 仕舞2番
    見 所:満 員 (480)
 京都在住、観世流の中堅実力者 味方 玄 (49才) 主宰の公演である。東京公演は、十回目
 となる。


「山 姥」小書:雪月花之舞、卵胎湿化
  シテ/女・山姥   味方 玄
   ツレ/百万山姥 谷本健吾
   ワキ/従者 宝生欣哉  /供人 大日方 寛・梅村昌功
   アイ/里人 石田幸雄
   囃子方/笛 藤田六郎兵衛・小鼓 成田達志・大鼓 亀井広忠・太鼓 観世元伯
   地謡/地頭 片山九郎右衛門 副地頭 観世喜正
      河村晴道・分林道治・角当直隆・梅田嘉宏・武田祥照・観世淳夫
   後見/主 清水寛二 副 味方 團

  典拠:未詳 能柄:五番目鬼女物 作者:世阿弥

 玄の父親、味方 健 (能楽師・文学博士/83才) の公演冒頭の「お話」(曲目解説) によれば、
 小書の「雪月花之舞」は、クリ・サシ・クセで舞う〈破がかり三段之舞〉、「卵胎湿化」
 は、アイ狂言の替えの語り。

 なお、配られたパンフレットの 玄の言葉に、『十五才の時から三十四年の永きにわたり
 師事いたしました 片山幽雪師とお別れして一年が経ちました。「雪月花之舞」は古くは
 「法会初能之式 (ほうえわきのうのしき)」といい、法事 (追善) の時の初番に舞われまし
 た。未だ至りませんが心中追善の気持ちにて勤めさせていただきます』とある。

 シテの 玄 を中心に、ツレの 健吾・ワキの 欣哉・アイの 幸雄、囃子方の面々、地謡陣が
 一体となった、申し分のない舞台であった。感動・感激したと言うよりは、「能」って
 本当に美しい芸能だなあと思った。泉下の 幽雪師も、嘸かしご満足であろう。

 玄の舞台は、謡の上手さ舞や所作の美しさは認めるが、迫力不足が上げられる。だが、
 今日の舞台は、謡・舞・所作の巧さに加え、力強さと緩急のけじめに凄みがあった。
 敢えて言えば、要所要所でもっと荒々しさが出ても良かった。

 満員の見所には、緊張感と充実感の香りが横溢していた。
                              上演時間:115分




観能記 | 14:07:30
 第四十五回 「桃々会」

 関根祥人七回忌追善能:第四十五回「桃々会」  宝生能楽堂
          平成28年5月4日 (水・祝) 雨のち晴  開演 午後2時〜 終演6時

  能 :「松 風」・半能 :「 融 」  狂 言:「二千石」  他 連吟1番・仕舞8番
   見 所:満 員 (480)

 閑祥会・関根祥六 主催、祥の会 後援、観世宗家 補佐の「桃々会」公演で、平成22年6月4日
 50歳で逝去された 関根祥人師 (祥六師 子息・祥丸師 父) の追善能である。


「松 風」 小 書:見 留
  シテ/海女 松風    観世清和
   ツレ/海女 村雨 関根祥丸
   ワキ/旅の僧 福王茂十郎  アイ/須磨の浦の住人 山本泰太郎
   囃子方/笛 一噌庸二・小鼓 観世新九郎・大鼓 柿原崇志
   地謡/地頭 角 寛次朗 副地頭 岡 久広
      山階彌右衛門・中島志津夫・藤波重彦・清水義也・坂口貴信・井上裕之真
   後見/主 木月孚行 副 観世芳伸

   典拠:古今和歌集(在原行平和歌)・源氏物語(須磨の巻)など 能柄:三番目本鬘物
   季節:秋 作者:世阿弥改作

  「熊野・松風に米の飯」と言われるように、名曲であり人気曲である。海女 松風が主役だ
  が、妹役 海女 村雨も重い役。宗家と若い内弟子との共演で、いやが上にも見所は昂る。

  家元 観世清和は、昭和34年5月生れの57歳、技量・力量ともに優れ あぶらの乗りつつ
  あるシテ役者。内弟子 関根祥丸は、平成5年5月生れの弱冠23歳、今春芸大を首席で卒
  業した。資質にも恵まれ、近時進境が著しい。

  前段、汐汲み女の出立ちで 松風・村雨が登場。清和の貫禄ある謡、祥丸の歯切れのよい
  謡が素晴らしい。更に、二人の連吟が場面を盛り上げた。月光の下、汐汲みの所作が美し
  かった。

  中段、松風・村雨とワキ旅僧 福王茂十郎との問答。茂十郎の、深みのある落ちついた謡と
  態度が光った。また、シテとツレの連吟も、祥丸の師に気後れしない謡が気持よかった。
  物着では、後見二人が烏帽子・長絹を着ける。装束の着替えが、ひとつの見せ場となった。

  後段、松風は、狂乱状態となって「中之舞」を舞う。そして、「破之舞」。小書 見留に
  より、松を見込み松の前を廻る型となる。清和の、シテの情感を載せた舞が切なかった。
  師弟コンビの名舞台、泉下の 祥人師も さぞお喜びであろう。
                               上演時間:100分


「 融 」(半 能)
  シテ/融の大臣の亡霊    関根祥丸
   ワキ/旅の僧 殿田謙吉
   囃子方/笛 寺井宏明・小鼓 亀井俊一・大鼓 大倉栄太郎・太鼓 観世元伯
   地謡/地頭 関根知孝 副地頭 武田尚浩
      津田和忠・藤波重孝・岡庭祥大・角 幸二郎・木月宣行・高梨万里
   後見/主 寺井 栄 副 上田公威

   典拠:古今和歌集・今昔物語 (融大臣の説話) 能柄:五番目貴人物 季節:秋
   作者:世阿弥

  半能は、前場を省略し後場の僧の名乗りから始まる。融大臣の「早舞」が、眼目となる。

  祥丸の、月の都に居わす父に捧げる舞である。若々しい貴公子姿の 祥丸、月光下 気品
  高い雰囲気が舞台を包む。

  祥丸が、伸びやかでゆったりとして楽し気な舞を見せてくれた。23歳、この若さで際立
  つ謡と舞の上手さ。将来、能楽界を背負って立つ逸材である。
                               上演時間:30分




観能記 | 14:37:26
  円満井会 定例能

 円満井会定例能  矢来能楽堂
       平成28年4月30日(土) 晴  開演 午後12時30分〜終演 5時5分

  能 :「放下僧」・「東 北」・「 乱 」  狂 言:「酢 薑」
   見 所:満 員 (280)

 (公社) 金春円満井会主催の四月定例能で、能3番、狂言1番、仕舞6番の上演。


「放下僧」
 シテ/小次郎の兄   井上貴覚     
  ツレ/真木野小次郎  林 美佐
  ワキ/刀禰の信俊  野口能弘    アイ/信俊の家人  宮本 昇
 囃子方/笛 栗林祐輔・小鼓 鵜澤洋太郎・大鼓 亀井洋佑
 地謡/地頭 高橋 忍 副地頭 金春穂高
     本田芳樹・本田布由樹・後藤和也・渡辺慎一・中村昌弘・太田直道
 後見/主 辻井八郎 副 村岡聖美

  典拠:未詳 能柄:四番目物 所:武蔵 瀬戸三島 季節:秋九月 作者:宮増とも

 兄弟二人で、父の仇敵を討つ物語り。敵を欺くため放下・放下僧 (大道芸人) となり、芸尽
 くし (曲舞・羯鼓・小歌) を演じ、敵の油断に乗じて望みを果たす。

 シテ兄役の 貴覚は、声量があり生真面目な芸風。ツレ弟役は女流の 美佐で、型はなかなか
 キレがあった。だが、両者の仇敵を討つ激しさは、残念乍ら舞台に表われなかった。

 貴覚とワキ 能弘との問答・掛合いは、やや迫力でワキに押された感あり。芸尽くしのクセ
 舞・羯鼓の舞では、キリッとした面はあったが、もう少し軽やかさが欲しかった。

 若手の 美佐、一生懸命さが好感持てた。だが、やはり女流特有の謡の細さ、どっしり感の
 ない型は、敵討ちと言う役柄には少々不適合であった。
                                 上演時間:65分


「東 北」
 シテ/前 里女・後 和泉式部の霊   山井綱雄
  ワキ/旅僧  森 常好   ワキツレ/舘田善博・野口琢弘
  アイ/門前の者  善竹十郎
 囃子方/笛 内潟慶三・小鼓 鳥山直也・大鼓 國川 純
 地謡/地頭 本田光洋 副地頭 吉場廣明
     本田芳樹・金春憲和・荻野将盛・中村一路・本田布由樹・大塚龍一郎
 後見/主 横山紳一 副 中村昌弘

  典拠:未詳 能柄:三番目・本鬘物 所:都 東北院 季節:春1月 作者:世阿弥とも

 シテ 綱雄が、謡・舞・型に、そして雰囲気に、持てる技量・力量を発揮して、佳い舞台を
 見せてくれた。最大の見せ場、クリ・サシ・クセから「序之舞」は、流れるように滑らか
 で優美な舞であった。

 ワキの 常好・アイの 十郎と、芸達者の存在も大きかった。しかし、期待した地頭 光洋の
 地謡陣は、若手が多かったせいか今ひとつ盛り上がらなかった。

 もっと残念なのは、笛 慶三の情緒・情感の欠けた音色である。ベテラン大鼓の 純、若手の
 小鼓 直也が頑張っただけに、笛の拙さが折角の「序之舞」の興を削いだ。
                                 上演時間:90分


「 乱 」
 シテ/猩々   柏崎真由子
  ワキ/高風  森 常太郎
 囃子方/笛 小野寺竜一・小鼓 幸 信吾・大鼓 安福光雄・太鼓 大川典良
 地謡/地頭 深津洋子 副地頭 岩松由美
     大澤久美子・村岡聖美・本屋禎子・安達裕香・林 美佐・中野由佳子
 後見/主 金春安明 副 金春憲和

  典拠:未詳 能柄:五番目・本祝言物 所:唐土 揚子の里 季節:秋九月 作者:不詳

 シテの 真由子始め、地謡陣は全て女流が勤めた。確かに謡いは迫力に欠けたが、若手・
 真由子の猩々の舞「乱」はなかなかよかった。

 赤尽くめの猩々が、笛・大小鼓・太鼓の変化ある囃子に乗り、乱レ・流レ足など激しい舞の
 所作が続く。やや息が上がったようだが、よく最後まで頑張り通した。見事!
                                 上演時間:45分


「酢 薑」(狂言)
 シテ/酢売り  大蔵吉次郎   アド/薑売り  榎本 元

 酢売りが「ス」、薑売りが「カラ」の付いた語を張り合う。が、最後は両人の、笑い留め。

 吉次郎・元とも常に大音声の狂言だが、今日は張り合う話しだけに異常な怒鳴り声。狭い見
 所では、聴くに耐えない面も。
                                 上演時間:15分






観能記 | 10:13:03
「久習會」

 第二十三回「久習會」 宝生能楽堂
         平成28年4月21日(木) 小雨  開演午後6時〜終演8時15分

  能:「羽 衣」  狂 言:「金藤左衛門」  独 吟:「勧進帳」
   見 所:8〜9分の入り (400)

 「久習會」は、観世流橋岡會門下の研修・研究会公演で、本公演では女流能楽師 宮内美樹
  (昭和46年生れ) が、人気曲「羽衣」を舞う。他に、狂言1番、独吟1番の上演。


「羽 衣」
 シテ/天人   宮内美樹
 ワキ/漁夫白竜   福王和幸   ワキツレ/漁夫 村瀬 慧・矢野昌平
 囃子方/笛 栗林祐輔・小鼓 後藤嘉津幸・大鼓 佃 良太郎・太鼓 大川典良
 地謡/地頭 荒木 亮
    橋岡伸明・坪内比路之・宮下 功・岩崎哲也・土田英貴
 後見/主 山中ガ晶 副 松山隆之

  典拠:羽衣伝説 能柄:三番目物 所:三保の浦 (駿河) 季節:春 作者:不明
 
 シテ 宮内美樹は、津田塾大卒後会社勤めを経て、プロの能楽師になった異色の経歴を持つ。
 目標に向って一心不乱に励む努力家で、女流として豊かな声量と資質を兼ね備える。

 前段の見せ場は、天女と漁夫の問答・掛合いにある。美樹の謡と、渋味が出たワキの 和幸
 の謡が呼応して、よい雰囲気と空間を演出した。美樹の「いや疑いは人間にあり、天に偽り
 無きものを」が心地よく響いた。

 中盤は、地謡陣が謡い上げシテが舞う曲舞が、見処・聴き処(クリ・サシ・クセ)となる。
 地頭 亮が、総勢6名を率いて頑張ったが、些か声を張り上げ過ぎた感あり。

 後段のヤマ場は、何と言っても「太鼓序之舞」から「破之舞」である。「物着」で、長絹
 を纏ったシテが、優美で伸びやかな舞を舞う。

 美樹の舞は、美しく揺らぎの無い舞でなかなか良かった。欲を言えば、もう少し天女らし
 く、舞の所作に軽味が欲しかった。装束は、もっと明るい色合いの物の方がよかった。

 シテが右袖を頭上に被く型で、袖が天冠に引っ掛かるミスがあったが、後見が素早く対処
 して進行に齟齬は無かった。

 「羽衣」は、能の代表的な曲目で上演回数も多い。昨今は「小書」演出が主流で、本日の
 ような小書無しの舞台は少なくなった。主な小書として〈 和合之舞・彩色之伝 (観世流)、
 盤渉 (宝生・金剛流)、舞込・霞留 (喜多流)、替之型 (金春流) 〉がある。
                               上演時間:80分


「金藤左衛門」(狂 言)
 シテ/山賊・金藤左衛門  茂山千五郎   アド/女  茂山 茂
 
 山賊が、通りかかった女から持袋を奪い取る。女は、山賊のスキをみて長刀を奪い山賊に
 突き付ける。女は袋を取り返し、山賊の刀や小袖まで剥ぎ取って消える。

 千五郎の滑稽さが秀逸。「積善の余慶」(人に物を施せば必ず仕合せが来る) と、笑い止め。 
                               上演時間:25分


  次回予告:第二十四回「久習會」
    平成28年9月10日(土) 午後2時開演  宝生能楽堂
      演目: 能「盛 久」宮内美樹  狂言:「抜殻」善竹十郎





観能記 | 12:01:24
 「香川靖嗣の會」

 第十回「香川靖嗣の會」 喜多能楽堂 
        平成28年4月2日(土) 曇  開演午後2時〜終演5時10分

  能:「野 宮」  狂 言:「八句連歌」
   解 説:ー 野宮の小柴垣 ー 馬場あき子 (歌人) 30分
   見 所:満 員 (400)

 喜多流の人間国宝 友枝昭世に次ぐ実力者で名手、香川靖嗣 (昭和19年7月10日生れ・71歳) が
 主宰する第十回「香川靖嗣の會」。見所には、香川ファン始め能楽評論家等が多数つめかけた。


「野 宮」
 シテ/前 里女・後 六条御息所の霊   香川靖嗣
 ワキ/旅僧   森 常好
 アイ/嵯峨の里人   高野和憲
 囃子方/笛 一噌隆之・小鼓 大倉源次郎・大鼓 柿原崇志
 地謡/地頭 友枝昭世 副地頭 粟谷能夫
    粟谷明生・長島 茂・狩野了一・金子敬一郎・大島輝久・友枝真也
 後見/主 塩津哲生 副 中村邦生

  典拠:「源氏物語」 能柄:三番目・本鬘物  所:嵯峨野 (京都)  季節:晩秋九月
  作者:金春禅竹

 シテ 靖嗣の声は美声ではないが、渋味のある巧みな謡である。今日も特徴ある謡が、前場の
 里女・後場の六条御息所の上品な雰囲気を醸し出した。

 靖嗣の舞も逸品で、上半身の動きを緩やかに抑えると、鍛えられた足腰は揺るぎもしない。
 後場の懐旧の舞「序之舞」はゆったりと大きく、軽い足拍子は静かな舞にアクセントをつけた。

 続く短い「破之舞」は、常の 靖嗣の柔らかみのある舞が、御息所の複雑な情念を表出して、強
 固なものに変身した。そして、火宅の門へ … 。 深い余韻を残す実に見事な終演であった。

 曾て、能楽評論家の 故 大河内俊輝氏 (平成22年11月19日逝去・享年88) が、靖嗣の芸をこう
 評した。「香川は体付きも悪くないし型も悪くない。何よりも真摯だから精進を重ね何時の日
 か、友枝昭世になる日が来る事を疑わずにいる」と。

 確かに、靖嗣は近時一段と芸力・芸格を高めてきている。外見は柔らかだが、内情は芯のある
 極めて強固な精神性を持つ。それが、如実に舞台に表われる。

 ワキの旅僧 常好が、普段の美声・声高を抑え、シテの渋味のある声と同調させた。常好
 (60歳) は、下掛宝生流の総帥故 宝生 閑師 (平成28年2月1日逝去・享年81) に次ぐ、実力者
 である。閑師亡きあと、今後増々の活躍を期待したい。

 掛けた面 (前・後シテとも同一面) は、現代面打の第一人者 岩崎久人 (昭和20年7月5日生れ・
 70歳) 作の「増女」である。美しさと上品さを併せ持つ面で、装束や舞台に佳く映えていた。

 囃子方は、大鼓・小鼓とも名手揃いで本曲の風趣をよく顕わしたが、笛は些か強音で全体の調
 和に欠く面があった。渋味のある笛方が欲しいところであった。アイ語りも、やや声高過ぎた。
 地謡陣は、地頭・副地頭を中心によく纏まっていた。
                                上演時間:115分


「八句連歌」(狂 言)
 シテ/貧者・万作  野村万作   アド/富者・博治  深田博治

 お金の貸し借りを、連句のやりとりで進める趣きのある狂言。表八句を終って、貸し手が借状
 を返すという後味よいお話し。

 借り手の 万作が、何とも味わいのある語りと所作。博治も上手くなったが、まだまだこれから。
                                上演時間:25分


 次回予告:第十一回「香川靖嗣の會」 ー 秋 ー  
     平成28年9月3日(土) 午後2時開演  喜多能楽堂
      演目:能「遊行柳」香川靖嗣 狂言「鐘の音」山本則俊





観能記 | 11:24:23
観世能楽堂さよなら公演

 渋谷区松涛の観世能楽堂が、2年後の 2017年東京銀座に移転する。現能楽堂は、本日3月末日を以て
 閉場となる。1972年4月に開場して、43年の長い歳月が流れた。
 私の能楽鑑賞暦11年余の内、観世能楽堂には261回足を運んだ。鑑賞公演数、通算 1,298回の20%に
 当る。それだけに、ひとしお寂しい感じがする。
 この度、「観世能楽堂さよなら公演」が4日間に渡り (3/27〜30) 開催された。私は、最終日の公演を
 鑑賞した。


 「 翁 」 観世清和  三番叟 野村万蔵  千歳 観世三郎太  面箱 野村虎之介
      頭取 大倉源次郎 脇鼓 清水皓祐・鵜澤洋太郎  亀井広忠 一噌隆之

 「鶴 亀」 シテ 観世芳伸 鶴 下平克宏 亀 大松洋一  ワキ 工藤和哉 則久英志・御厨誠吾
      囃子方 一噌隆之・大倉源次郎・亀井広忠・小寺佐七
      地謡 角寛次朗・観世恭秀・岡久広・浅見重好
         角幸二郎・清水義也・坂口貴信・林宗一郎
      後見 山階彌右衛門・上田公威

 「猩 々」シテ 関根祥六  ワキ 宝生欣哉
      囃子方 一噌仙幸・観世新九郎・亀井忠雄・三島元太郎
      地謡 谷村一太郎・高橋弘 ・林喜右衛門・上野朝義
         武田尚浩・井上裕久・山本章弘・大西礼久
      後見 野村四郎・寺井栄

 「福の神」(狂言)  シテ 野村萬 アド 能村晶人・野村太一郎

   仕舞11番・独吟1番
     主なもの 「錦 木」金春安明 (金春流)  「八 島」友枝昭世 (喜多流)

 宗家の翁は、気品があり清々しいものであった。だが、お疲れのためか少々躯の切れを欠いた。千歳
 の 三郎太は、もう少しスピード感が欲しい。三番叟の 万蔵は、精気があって頗るよかった。
 芳伸の皇帝は、威厳があり相応の風格もあった。鶴 克宏・亀 洋一の、相舞 (中之舞) がよかった。
 御大 祥六の猩々は、大きな存在感があり、さよなら公演の大とりに相応しい舞台となった。

 終演後、能楽堂前で宗家のご挨拶と鏡割りがあり、43年間の公演舞台の幕が降りた。




観能記 | 14:58:02

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